これまでにも度々描写されていた「一輝が写真から消える」という現象……これはバイスとの契約によるもので、バイスの力を使う度に一輝の記憶が消えていくというものでした。
記憶が消えるという意味では、電王のゼロノスの変身と似ていますが、ゼロノスは他人の記憶から自分が消えるというもの。電王のテーマの一つとして「他人の記憶=生」というものもあったので、この変身についてはかなり衝撃だったのですが、一輝に課せられた十字架もかなり重いものになりそうです。
テーマとしての家族があり、その中で「力を使えば記憶が失われる」というものがあり……もちろんその力に皆が期待しているので使わないわけにはいかない……。
一輝だけの問題になるわけもなさそうで、五十嵐家全体にとっても重いものになりそうです。
さて、ラフレシアデッドマンを生み出したのは、一輝の先輩であり、声優の木村昴でした。
ただ、これまでと違うのはデッドマンを実体化させた理由。ラフレシアデッドマンは幻影を見せることができ、その幻影を使って失われていた深層の記憶を引き出したいという意図によるものでした。
同様に幻影を見させられていた旧友のジーコ。同じ体験を共有できていたのかはわかりませんが……一輝とジーコ、幻影の中でわだかまりを解き、その後の各自の仕事はまるでシンクロしているようでした。
「エゴイスト」というレッテルがサーベルタイガーデッドマン工藤に貼られていた一輝でしたが、ジーコの「一流のストライカーの条件はエゴイストであること」という言葉に救われました。自分を貫き通すこと……下手すると大変危険ですが、その強さと周りを思い守る気持ち……仮面ライダーらしい「ジレンマ」も感じられた回でした。